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TDS(=Tick Data Suite)
EAを作る人や使う人なら一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
これを使うとバックテストのモデリング品質が99.9%になるらしいです
開発者の中には「このEAはモデリング品質99.9%のバックテストで好成績だから安心して買ってください」という人がいます
また「モデリング品質99.9%でないEAは信用できない」というユーザーもいます
しかし、筆者には以前から疑問に思っていながらも長らく放置していた問題があります
それは「そもそも、モデリング品質99.9%って何を表しているの?」ということです
投資の世界に長年関わっていたら、99.9%なんて数字は逆に怪しく感じてしまうものですし、そういう感覚は持ち続けるべきだと思っています
そんな中、筆者自身のEA制作も佳境に入り、いよいよこのモデリング品質99.9%問題と向き合わなければならないときがきました
モデリング品質99.9%のバックテストって一体何なのでしょうか?
そして筆者は高い金を払ってまでTDSを使用するべきなのでしょうか?
少し調べてみた結果と筆者の方針について書いていきたいと思います
今後バックテスト結果を見る際の参考になると思いますので、ぜひ最後までお読みください
この記事を書いた日:2023年1月16日(月)夕方
カテゴリー【開発状況】
Tick Data Suite のメリット、デメリット
ネットでTDSを使用したバックテストについて検索するとだいたい以下のようなメリットがあると説明されています
(1)信頼性のあるヒストリカルデータを使用できる
(2)信頼性のあるバックテストができる(モデリング品質が99.9%になる)
(3)変動スプレッド、スリッページを含めたバックテストができる
(4)バックテストの作業がラクになる
一つずつ見ていきましょう
(1)信頼性のあるヒストリカルデータを使用できる
TDSではデューカスコピー(海外FXブローカー)などのヒストリカルデータを使用しているそうです
なぜ信頼性があると言われているかというと、このヒストリカルデータにはリアルなティックデータが含まれているからだそうです
通常のMT4では1分足から疑似的にティックを生成してバックテストを行いますので、リアルティックが含まれたヒストリカルデータはそういった意味で比較的信頼性があると言っても差し支えないかと思います
ただし、これはあくまでデューカスコピーのヒストリカルデータであって、当然のことながら他の海外FX業者の実際のデータとは異なるということには留意が必要です
(2)信頼性のあるバックテストができる(モデリング品質が99.9%になる)
繰り返しになりますが
モデリング品質99.9%って一体何なんでしょうか?
公式のMQL5のこちらの記事「EAのバックテストのレポートの見方」(英語版はこちら)には、モデリング品質の計算式が以下の通り説明されています
正直よく分からないので読み飛ばしていただいて結構です



なんだか難しいですが、筆者の解釈では「StartBar < StartGen< StartGenM1 < HistoryTotal」だと思いますので、「StartBar = StartGen=StartGenM1」になったとき、ModellingQuality(モデリング品質)が最大になりそうです
はい知ったかぶりです。よく分かりません
とりあえずそのときの最大値は90%となります(0.25と0.5の項が消える)
※解釈が間違っていたらスミマセン
では、公式の計算式では90%が最大(だと思う)なのにどうしてTDSを使うと99.9%と表示されるのでしょうか?
これ以上は調べても分かりませんでした。今後何か分かりましたら続報でお知らせしたいと思います
ちなみに2010年の記事になりますがこのような情報「Modeling Quality 99% は都市伝説?」もあります。過去にはモデリング品質の数値を書き換える手法が出回っていたようですね
TDSとはまた違った話ですが、こういうこともあったということは頭の片隅には置いておきたいです
(3)変動スプレッド、スリッページを含めたバックテストができる
ひとまずここでは「99.9%という表示はリアルティックを使用してバックテストを行った証」というようなイメージで捉えておいてよいかと思います
それでは、リアルティックを使用してさえいれば信用できるバックテストと言えるでしょうか?
答えはNOです
では、変動スプレッドやスリッページを考慮さえすれば、そのバックテストは信頼性が高いと言えるでしょうか?
これもNOですね
なぜなら元のヒストリカルデータはデューカスコピーという海外FXブローカーのものであり、私たちが使っているブローカーのデータとは別物だからです(もちろんMT4のヒストリーセンターのデータも別物ですが)
しかも、このデューカスコピーのスプレッドは結構狭く設定されているんですよね
つまり、TDSを使ってスプレッドを「変動」にしてそのままバックテストを行った場合、私たちが普段使っているブローカーよりも狭いスプレッドでのテストとなり、実際の性能よりも良い評価となってしまう可能性があるということです
そのため、TDSを使用してバックテストを行う際には必ずスプレッドpipsの補正が必要となります
多くの開発者様は当然ながら使用を想定しているブローカーに合わせてpipsを補正してバックテストを行っていると思いますが、そうでない人もいるかもしれません
そして厄介なことに、補正しているかどうかは第3者では確認が難しいんですよね

99.9%のバックテスト結果は上記のようなものが多いと思いますが、「モデリング品質99.90%、スプレッド変動」となっているだけで、この画面からはスプレッドの調整をどのくらいしたかが分かりません
(何かいい方法がありますかね?あれば教えてほしいです)
ですので最悪の場合「変動スプレッドでモデリング品質99.9%の信頼性の高いバックテストです」と言いながら、「実は極小スプレッドでテストしていた」ということもできてしまいます
私はやりませんよ。たぶんw
話が逸れてしまいました
ここで何が言いたいかというと
どうせpipsを調整するのであれば、わざわざTDSを使わなくてもスプレッドを十分広くとってバックテストして、その悪条件においても利益を上げることができるEAを作ればいいんじゃないかということです
実際、筆者はこれまでそういう考えで制作してきましたし、これからも広いスプレッドにも耐性があるEAを目指していこうと思います
スキャルピングやスパイクの先を取りに行くようなロジックを作るのであれば、リアルティックを使用できることは価値があるかとは思いますが、筆者は今のところそのようなロジックには手をつけれていませんし、変動スプレッドやスリッページを踏まえたバックテストというものには、個人的にいまいち魅力を感じません
(4)バックテストの作業がラクになる
以上より、現状ではとりあえずバックテスト結果やEAの信頼性という観点からはTDSを利用する必要はないかと思っています(個人的な考えです)
ただ、自分のEAに箔をつけるためにTDSを使用するのはアリかなとも思っています(個人的な考えです)
それよりもちょっと気になるのが、バックテストの作業がラクになるとのことです
これは複数のMT4を利用する際を想定された話のようですが、たしかに今後複数業者に対応したEAや分割バックテストなどを想定すると、いちいちMT4毎にヒストリカルデータをDLしなくてよくなるのは少し魅力でもあります
その点では、今後の検討の余地があるかなと思っています
最後になりますが、この記事では
開発者目線、EAユーザー目線でTDSを使ったバックテストのメリット、デメリット、よく分からないことを書いてきました
「おお!99.9%!すごい!」
と数字だけにとらわれることなく冷静に判断したいですね
もちろんスキャルピングやブレイクアウトといったロジックのように、リアルティックでバックテストを行うべきEAもあります
要は、その数字がどこから来ているのか、どういう意味を持っているのかに目を向けて、ちょっとでもいいので理解を深めた上で判断するという心構えが必要だということです
これに限った話ではありませんね
世の中にあふれる情報や数字について全てを理解することはできませんが、理解しようとしてほんの一呼吸置くことで、怪しげな誘惑やリスクの高い人たちから遠ざかることができると思います
面倒ですがそうするべきです
これは筆者がこれまで高い勉強料を払って失敗した結果から学んだことです
ラクして儲けるためにもこれからも読者の皆様と一緒に勉強させていただきたいと思っています
それでは、また
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